2010年3月アーカイブ

2010問題が話題になっています。2010年は多くの薬剤の特許が切れてぞろぞろとゼネリック品が出るだろうし、折しも厚労省はゼネリック品の普及の為に新制度を打ち出してきている。となれば開発力の有った(る)メーカーも新薬開発に必要な資金力が急激に減じて、拡大再生産のサイクルも崩れて新薬開発は難しくなると懸念されているのである。

アンケート調査では、医療機関や医師の相当数がゼネリック品に対して【品質と安定供給が心配だ】と、ゼネリック品の普及に消極的であるが、国保予算を心配する自治体の一部には予算をつけてゼネリック品推進に勤めている処もあり、現状の経済状況や保険制度を見るとゼネリック品の普及は急速に進んでくるであろう。

この様な背景下では、欧米の大メーカーの蓄積された基礎研究成果と資金力は膨大な物だし、世界規模での販路も構築されている事から然したる影響は受けないだろうが、国内メーカーの多くは大変な時代を迎え、ぴっかぴかの新薬の創出には相当影響を及ぼすであろうし、医療問題を取り巻く環境は混迷の限りである。

報道に寄るとアメリカの保険制度が少し前進した様ですね。他国の制度と比較すると、未整備な部分や各種の問題をまだまだ含んで居るとは言え、支え合いを機軸とする我国の国民皆保険制度は評価すべきなのでしょう。

kiyama5.gif

山おじさん
外資製薬メーカーを退職し年金生活。農学部系で生命科学を専攻し命の現象を見つめてきた。学生時代の延長線で、今も国内外の山を楽しんでいる。

KIBO SOUTH CIRCUITからのキリマンジャロ遠景 (タンザニア

今回の制度変更で混合診療が可能となり改善されたのは喜ばしい事である。しかし、保険制度はドラッグ・ラグに見られるようにまだまだ多くの問題点を秘めていると思う。

医療問題や薬価制度は厚労省管轄下にあり、薬剤を供給する製薬会社はある種の自由経済行為である。外国で発売された物が日本で発売される迄には平均4.7年程度遅れるのが現実だし、又、製薬メーカーは開発費が膨大になる為に患者数が少ない領域の場合、薬価が果たして幾らに付くのか、又、薬価切り下げを視野に入れると採算が不安視され開発行為に着手出来ないのである。

アメリカでは症例数が少ない疾患の薬価は基本的には下げないから供給者としての社会的責任を果たせるのである。ドラッグ・ラグは色々な理由があるとは言え、本来保険制度は【共済の思想】だから、本質的な見直しが必要じゃないか?とも思う。

ニューマン・ビッグ病C型やクリオピリン関連の周期性発熱症候群(CAPS)等の子供さんや家族はどう取り組めば良いのか?個人輸入での医療行為は、薬剤費用だけで年間数百万円も掛り普通の人には手の届かない処にある。この当たりにも日本の保険制度の弱点を見るのである。

皆さんこの様な問題をどう考えられますか?

kiyama1.gif

山おじさん
外資製薬メーカーを退職し年金生活。学生時代は生命の最小単位の細胞の生理生態を通して生き物の生物活性を見つめてきた。今だ学生時代の延長線で山登りを続け国内外を歩いている。

カラパタールピークから雪煙の舞うエヴェレストを臨んだものです。(ネパール)

過去を振り返りながら、時代考証を交えて徒然に触れてみようと思っています。

自分が外資メーカーに就職したのは35年前で、其れまでは外資の直接販売はなく、原末とか半製品の状態で国内メーカーに供給し間接的に参画するのが殆どで、外資が直接自社販売する事は出来なかった。就職したのは医薬品外資が直接参画できるタイミングだったからである。営業部門を希望し、自販体制は構築されてないから万事零からのスタートは当然で、医療機関の一部では外資を理由に【非国民とか国賊とか】言われる事もあり、数年間は辛い想いの連続でした。

外資が直接的に参画できなかった背景には色々な見方が有ろうが、その一つに【非関税障壁】と言われる様に、国内メーカーの保護政策と連動し、地球規模で画期的な新薬であれ、海外からの導入には多くの【見え難い関所】が在ったのです。昨今でも海外ではOKだが、色々な理由が付けられて国内ではNOとかで、外国まで多額の費用を掛けて治療に行ったり、当該患者さんから国内導入に強い要望が有るのと似ています。

【ちょんまげを結ってた鎖国時代】に、ペリーが蒸気船の黒船四隻で開国を迫った折、日本国の狼狽振りを見事に言い当てた風刺に【上喜撰たった四杯(盃)で夜も眠れず】とあり、当時の日本国(幕府)の実態を上等なお茶と語呂合わせして見事に表していますが、国民性として【外に目を向けない島意識】なんですね。

国際的に薬業界も環境が大きく変わり、新薬開発には膨大な費用や頭脳が必要な為10年前位から世界的規模で再編成が進んできました。内資の多くは生き残りを掛けて海外メーカーとの提携や海外での販路を構築するのに必死です。比較的簡単に認可が得られる後発品の製造や販売は、開発費は元より其れ以外の分野でも企業としての費用負担が少ないのですから羨ましい限りです。

自分の辛い過去が影響し被害妄想的になるのか?、年を重ねて視野狭窄的になるのか?は解りませんが、他のご意見やご批判を百も承知で言うなら、日本経済の必要性からとは言え、ゼネリック普及政策はある種の保護政策の一環であるとの側面は否めない、と思っています。しかし必要な時代なのですから確り貢献して頂きたいと思います。

次回の内容は医療保険制度に致しましょうかねぇー。

kiyama1.gif

山おじさん
外資製薬メーカーを退職して年金生活。農学系学部で生命科学を専攻した。学生時代から続けてきた山岳に時間を割き、国内外の山を歩いてる。

標高4700m位でヌプチェ(7855m)を背にしてる自分です(ネパール)

診療報酬改定で、4月から調剤薬局で処方する後発薬の使用量を増やせば調剤報酬を多く加算できるように制度が改められる。
又、医師が患者に後発薬を使うかどうかを聞く事なども努力義務に加えられる。

制度の違いは有るが国内の後発薬のシェアーは2009年9月時点で約20%で、欧米の50~70%と比較すると、普及は遅れていると見るのが妥当であろう。新聞報道によるとメーカーの後発薬への参入が急速に進行しつつある。特定の薬剤では最終成分は一緒でも製造過程の違いや他の理由から幾分薬効に差が有るのも事実だが、プラセボでも見られる効果を考慮すれば、むきになる問題でも無さそうである。

更には同じ薬効の場合患者の希望は70~80%が後発薬を希望するとの報告もあり、将来の財政的課題も考えれば後発薬の普及に向けての制度変更は止むを得ないと思う。建設、金融、医療の分野は公的制度に保護され恵まれた環境であったし、医療は人の命に関与する分野なので前述の二分野とは幾分異なろうが、時代に合った変革が要求されるのも現実であり、新たな社会的環境に向けて【調剤薬局の経営の在り方】が必要であろう。

制度変更に一喜一憂したり落胆する事なく、【どんな制度下にあっても介在するのは人であり、発想の転換と工夫心!!】を持って臨み、短期-中期-長期毎に課題を抽出し、一つ一つ対応する解決策を具体的に細かく検討し正面から取り組めば必ず解決し、今まで以上の【質の向上】に繋がってゆくと思います。

kiyama1.gif

山おじさん
外資製薬メーカーを退職後年金生活をしながら友人の医院や調剤薬局の経営相談を受けている。 大学では細胞を通して生命科学を見つめてきた。 時間を見つけて国内外の山に行っています。

ぺリチェ村(4240M)のテンバから夕日に映えるエヴェレスト(ネパール)

アテックブログを購読

参加できます

アテックブログ×あなた

↓ブログ・HPに貼れます

FeedWindでコードを生成してご自身のブログやHPに貼り付けると、上記と同じアテックブログフィードを表示できます。
RSS(ATOM)のURLにはhttp://www.atec-corp.jp/blog/rss.xmlと入力して下さい。

メールマガジン

薬局経営に役立つ情報と出会えるメールマガジン、ATECニュース

アテックに問い合わせる

アテックにお問い合わせ

アテック株式会社

薬局の譲渡、M&A、売買、売却を長年行ってきました。
  • はじめまして、代表の鈴木です。
  • 今までの実務体験を提供し「ありがとう!」と言ってもらえることを目標にしています。
  • 大好きなゴルフを続けられるよう、毎朝野菜ジュースを作って飲んでいます。

薬局M&Aを成功させます
  • こんにちは、新村です。
  • 薬剤師の視点を取り入れ、M&Aを成功に導きます。薬局の細かな点もご相談下さい。

PharmaNext
  • 2009年11月号で取材を受けました。

  • 弊社仲介に対するお礼をいただきました。

  • 薬局を譲渡された社長様からお花をいただきました。

薬局関連ニュース